割合の表し方(割合の3用法)の重要例題とその解法を図解入りで詳しく説明。解法をきちんと理解して算数の計算力UP・得点力UP・YT対策としてご自由にお使い下さい。
『割合の3用法』を説明する前に、まず次の3つの重要な言葉の説明をします。
① もとにする量(1にあたる量)
② 比べる量(割合にあたる量)
③ 割合
例えば、5m、10m、3mの棒があったします。
5mの棒の長さをもとにすると、10mの棒の長さは
10÷5=2 2倍
3mの棒の長さは
3÷5=3/5(0.6) 3/5倍
となります。
この場合、『5m』を『もとにする量(1にあたる量)』
『10m』や『3m』を『比べる量(割合にあたる量)』
2倍、3/5倍(0.6倍)を割合
と言います。さて、本題に戻ります。『割合の3用法』は以下の通りになります。
割合の第1用法 割合=比べる量÷もとにする量
割合の第2用法 比べる量=もとにする量×割合
割合の第3用法 もとにする量=比べる量÷割合
これらの3つの公式は文字で覚えるのは大変です。速さの3公式に有名なもので『はじき』の公式がありますが、それと同じように割合の3用法にも『もわく』の公式があります。以下のような図になります。
『横の線』が『÷』の記号を表し、『縦の線』が『×』の記号を表しています。
求めたいものを手で隠すと公式になります。
例えば、『もとにする量』の公式を知りたい場合は『も』を手で隠します。
そうすると、『く÷わ』という公式が分かります。
「割合の3用法」の重要問題とその解法
【重要問題1】
8kgの重さをもとにする量にするとき、次の重さの割合を求めなさい。
(1) 32kg (2) 10kg (3) 5kg
【解法】
(1)(2)(3)割合の第1用法 割合=比べる量÷もとにする量 より
32÷8=4
10÷8=5/4 ←A÷B=A/B
5÷8=5/8
答え (1) 4 (2) 5/4 (3) 5/8
【重要問題2】
次の問いに答えなさい。
(1) お父さんの年令は35才で、太郎君の年令はお父さんの年令の2/5です。太郎君は何才ですか。
(2) 花子さんの昨年の体重は44kgでした。今年は去年に比べて体重が1/4増えました。花子さんの今年の体重は何kgですか。
【解法】
(1)(2) 割合の第2用法 比べる量=もとにする量×割合
(1)の問題では『お父さんの年令』が『もとにする量』になります。そして『太郎君の年令』が『比べる量』になります。よって
35×2/5=14
答え 14才
(2)の問題では『花子さんの去年の体重』が『もとにする量』になります。そして『今年増えた体重』が『比べる量』になります。よって増えた体重は
44×1/4=11kg
ですから、花子さんの今年の体重は
44+11=55
答え 55kg
ポイント① 割合の文章問題を解くときに、何が『もとにする量』『比べる量」になるかを見抜く力が必要になります。その際、
『~の』というように『の』がつくものが『もとにする量』
『~は』というように『は』がつくものが『比べる量』
『分数』『~%』『~割~分~厘』が『割合』
となることが多くあります。ぜひ覚えておきましょう!
ポイント② 【重要問題2】の(2)では『もとにする量』に『増えた量』を合計する解法を説明しましたが、実はもっと良い解法に『もとにする量』の何倍になったかを考えて解く解き方があります。
【重要問題2】の(2)では、もとにする量を1と考えると増えた量は1/4ですから
1+1/4=5/4倍になります。よって
44×5/4=55
答え 55kg
【重要問題3】
3.2mのリボンを、はじめに姉が3/8を切って使いました。残りの4/5を妹が切って使いました。これについて、次の問いに答えなさい。
(1) 姉が使ったリボンの長さは何mですか。
(2) 姉と妹が使ったあとに残っているリボンの長さは何cmですか。
【解法】
(1) 割合の第2用法 比べる量=もとにする量×割合
この問題では、「姉が使ったリボンの長さは3.2mのリボンの3/8」ということになります。よって「3.2mのリボン」が「もとにする量」で「姉が使ったリボン」が「比べる量」になります。
姉が使ったリボンの長さは
3.2×3/8=1.2
答え 1.2m
(2)姉が使ったあとに残っているリボンは
3.2-1.2=2m
この2mの4/5を妹が使ったので妹が使ったリボンの長さは
2×4/5=1.6m
したがって、残っているリボンの長さは
2-1.6=0.4m=40cm
答え 40cm
【重要問題4】
2本の棒A、Bがあります。Aの長さは30cmで、Bの長さの2/7にあたります。Bの棒の長さは何cmですか。
【解法】 割合の第3用法 もとにする量=比べる量÷割合
この問題では、「Bの長さの2/7が30cm」となりますので、「Bの長さ」が「もとにする量」「Aの長さ(30cm)」が比べる量になります。もとにする量を求める問題なので、割合の第3用法より、Bの棒の長さは
30÷2/7
=30×7/2
=105
答え 105cm
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