倍数と公倍数(基礎編)の重要例題とその解法を図解入りで詳しく説明。解法をきちんと理解して算数の計算力UP・得点力UP・YT対策としてご自由にお使い下さい。
整数Aを1倍、2倍、3倍、……した積をAの倍数といいます。この倍数をAで割ると割り切れます。
(例) 2の倍数 ……2、4、6、8、10、12、14、16、18、…
3の倍数 ……3、6、9、12、15、18、21、24、…
2つ以上の整数に共通な倍数を公倍数といいます。
(例) 2と3の公倍数 ……6、12、18、…
公倍数のうち、最も小さい数を最小公倍数といいます。
(例) 2と3の最小公倍数 …6
公倍数を書き出すときのポイント
⇒公倍数は最小公倍数の倍数
【重要問題1】
100より小さい9の倍数について、次の問いに答えなさい。
(1) 小さい方から3つ答えなさい。
(2) 100に最も近い9の倍数はいくつですか。
(3) 全部で何個ありますか。
【解法】
(1) 小さい方から順に、
9×1=9、9×2=18、9×3=27となります。
答え 9、18、27
(2) 100÷9=11…1より
9×11=99が最も100に近い9の倍数になります。
答え 99
(3) 9の倍数は
9×1、9×2、…と表せます。(2)より9×11までとなります。
したがって、かける数に着目すると全部で11個あることが分かります。
答え 11個
⇒1~100までの「Aの倍数」の個数は100÷Aを計算したときの商になる
【重要問題2】
4と6の公倍数について、次の問いに答えなさい。
(1) 最小公倍数はいくつですか。
(2) 小さい方からかぞえて3番目の数はいくつですか。
(3) 200に最も近い数はいくつですか。
【解法】
(1) 4の倍数:4、8、12、16、…
6の倍数:6、12、18、…
ですから、最小公倍数は12と分かります。
答え 12
※よくあるミス!
4×6=24で最小公倍数を24としてしまうお子さんが多くいます。こういったミスをさせないようにするために、慣れるまでは上記のようにそれぞれの倍数を書き出して一番小さいものを見つけるようにさせましょう。
なお、最小公倍数の簡単な求め方に「連除法」というものがあります。
(2) 小さい方から数えて3番目に小さい12の倍数ですから
12×3=36
答え 36
(3) 200÷12=16…8より、200に近い12の倍数は
12×16=192 ←200から8離れている
12×17=204 ←200から4離れている
これより、200に最も近い数は204と分かります。
答え 204
※よくあるミス!
200÷12の商が16なので12×16=192と計算して答えを192と答えてしまうお子さんが多くいます。
⇒○○に最も近い数を求める場合、○○の前後にある数を両方調べて、○○に近い方を答えましょう!
【重要問題3】
5で割ると2あまり、4で割り切れる数について、次の問いに答えなさい。
(1) 最も小さい数はいくつですか。
(2) 小さい方からかぞえて5番目の数はいくつですか。
【解法】
(1) 5で割ると2あまる数は
2、7、12、17、22、27、32…
4で割り切れる数は(4の倍数)は
4、8、12、16、20、24、28、32、…
ですから、最も小さい数は12と分かります。
答え 12
(2) 2番目に小さい数は32になります。
ここで、1番小さい数と2番目に小さい数を見てみると
12、32というように20離れています。
この20というのは5と4の最小公倍数です。つまり割る数の最小公倍数になっています。
よって、5番目に小さい数は
12、32、52、72、92、…より92と分かります。
答え 92
⇒ポイント
① まず、書き出して一番小さい数を求める。
② そのあとは、割る数の最小公倍数おきに表れる
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