約数と公約数(基礎編)の重要例題とその解法を図解入りで詳しく説明。解法をきちんと理解して算数の計算力UP・得点力UP・YT対策としてご自由にお使い下さい。

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約数と公約数(基礎編)

約数と公約数のポイント

約数とは

0でない2つの整数A、Bがあり、AがBでわり切れる(A÷Bが整数になる)とき、BはAの約数であるといいます。

わり算A÷B=Cは、 A=B×C A÷C=Bのように表せることから、次のことがわかります。

0でない3つの整数A、B、Cが A=B×C という関係にあるとき、

① Aは、B、Cの倍数である。
② B、CはAの約数である。

(例) 24の約数 ……1、2、3、4、6、8、12、24
     5の倍数 ……1、5

※ 約数を過不足なく書き出すときのポイント

「約数を全て書きなさい」という問題で、約数を過不足なく書き出しているかを簡単にチェックする方法があります。

それは自分が書き出した約数を両端からセットにしてみます。
それらのセットにした2つの数の積が全てもとの数(この場合24)になれば、きちんと書き出せています

 1×24=24  2×12=24 3×8=24 4×6=24

もし、きちんと書き出せていないと余ってしまう数が出てきます。

 1×24=24 2×12=24 3×8=24 4は? 

 「4」が余っています。

 何が足りないかといえば「4の相棒」

 つまり、4とかけ算をしたときに24になる数です。すなわち「6」です。

 このように約数を書き出していけば過不足なく正確に約数を書き出すことができます。

公約数とは

2つ以上の整数に共通な約数を公約数といいます。

(例) 12の約数 ……1、2、3、4、6、12
     8の約数 ……1、2、4、8

なので、12と8の公約数は1、2、4となります。

最大公約数とは

公約数のうち、最も大きい数を最大公約数といいます。

(例) 12と8の最大公約数 …

なお、最大公約数の簡単な求め方に「連除法」というものがあります

公約数を書き出すときのポイント 

公約数は最大公約数の約数

「約数・公約数」の重要問題とその解法

【重要問題1】
 次の①~④の整数について、次の問いに答えなさい。

 ① 39  ② 41  ③ 67  ④ 72

(1) 3を約数に持つ整数はどれですか。すべて答えなさい。
(2) 72の約数は、全部で何個ありますか。

【解法】

(1) 3を約数に持つ数は3でわり切れる数(3の倍数)です。

   39÷3=13 72÷3=24 

   答え ① ④

   参照倍数の判別法

(2) 72を2つの整数の積に直すと

   1×72=72  2×36=72  3×24=72
   4×18=72  6×12=72  8×9=72

   よって72の約数は12個になります。

   参照素因数分解による約数の個数の求め方

【重要問題2】
 52をわると4あまる整数をすべて求めなさい。

【解法】

 ある整数をAとすると、52をある整数Aで割ったときに4あまるということなので

 52÷A=B…4

 と書けます。

 ということは 52-4=48

 ならばわり切れるということです。

 よってAは48の約数になります。

 ただし、「割る数>あまり」なので

 Aは48の約数の中で4より大きい数になります。

 48の約数:1、2、3、4、6、8、12、16、24、48

 この中で4より大きい数は6、8、12、16、24、48

 答え 6、8、12、16、24、48

※注意! A÷52=B…4 ではありません。
このような式になるのは「52わると4あまる整数」と書かれている場合です。「を」「で」という「助詞」に気をつけましょう!

【重要問題3】
 青い紙が45枚と赤い紙が30枚あります。これらの紙を子どもたちにそれぞれ同じ枚数ずつ配ったところ、青い紙は3枚あまり、赤い紙は2枚あまりました。子どもの人数は何人ですか。考えられる人数をすべて答えなさい。

【解法】

子どもの人数を□人、1人に青い紙をx枚、赤い紙をy枚配ったとすると

x×□=45-3
    =42

y×□=30-2
    =28

より□は42と28の公約数と分かります。

42と28の最大公約数は14ですから、

□は1、2、7、14

ここで、「割る数>あまり」なので青い紙が3枚あまったことから配った人数は3人より多くなります。

したがって、子どもの人数は7人、14人とわかります。

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